WeWorkもガラパゴスになっていた〜日本のガラパゴス化は今なお進行中
日本のガラパゴス化の中でも海外の友人から驚かれる日本独自の進化を遂げたものの1つにバレンタインデーがあるかと思います。「女性から」「チョコレート」を送って「告白する」ことから「義理チョコ」、そして「ホワイトデー」の爆誕まで。
当社インターリンクのバレンタインデーは、2009年に社長より「義理チョコ禁止令」が発令されたものの、2011年に解禁となり社内行事「義理チョコ抽選会」として復活、2020年にオフィス閉鎖テレワークとなったことに伴いバレンタインデーも消滅する独自進化を遂げました。
オフィス閉鎖により自宅以外からのテレワークもOKとなり、コワーキングスペースWeWorkのWeメンバーシップ料金を会社が負担することとなったことで、社長はあることのガラパゴス化にも気が付いたようです。
WeWorkもガラパゴスになっていた〜日本のガラパゴス化は今なお進行中
ガラケーがなぜ、ガラケーと呼ばれるか、きっと今の若い世代はわからないと思います。
念のため説明しますと、外界から隔離されたガラパゴス諸島で、生物が独自の進化を遂げたことにちなみ、世界から隔離された日本で、ケータイが独自の進化をしたことを指して、ガラパゴスケータイ、略してガラケーと呼ぶようになったわけです。その後、iPhone, Androidの登場で、あっという間に時代遅れになりました。
日本独自仕様というのは、世界標準仕様にかなわない、とあの時多くの日本人は悟って、もう2度と同じことはしないだろうと思っていたのですが、実は今も、”時代の最先端”コワーキングスペース WeWorkで、日本がガラパゴス化していることに気づきました。
それはなにかというと、
All Accessというサービスです。
WeWorkのAll Accessのページを見ると、下記のように書いてあります。
月単位のメンバーシップ
世界中の何百ものロケーションにアクセス
海外の年中無休のロケーションを表示
そして、この「海外の年中無休のロケーションを表示」のリンクをクリックすると、
米国
ヨーロッパ
中南米
オーストラリア、アジア
の各都市の拠点が出てきますが、日本はありません。上記の年中無休は24/7 Locationsとあるように、24時間年中無休です。
では日本はどうなっているかというと、WeWork JapanのAll Accessのページに書いてありますが、
国内30以上の WeWork 拠点を、営業時間中にご利用いただけます。
(筆者注)日本のWeWork営業時間は平日9:00-18:00
つまり、
日本以外でAll Accessを契約すると、世界各地の拠点が使える。24時間365日利用可能。
日本でAll Accessを契約すると、日本の拠点だけしか使えない。利用できるのは平日9時〜18時のみ。
ということです。
いまや、テレワークで世界中の優秀な人材を集めてビジネスを作り上げていく時代なのに、日本だけ鎖国をしているかのようです。
価格については、サービス内容が低いにも関わらず、4/27調べで日本は5番目に高かったです。
旅行用スーツケースでRIMOWAというドイツの人気ブランドがあります。
その中でもルフトハンザモデルというものが人気が高く、ドイツの空港で売っています。私がフランクフルト空港のRIMOWAでルフトハンザモデルを購入した時、店員さんは自慢げに、「RIMOWAの製品は、世界中どこでも修理をしますよ」と言ってくれました。しかし、実はその当時、ドイツで買ったRIMOWAは日本では非正規品として修理をしてくれなかったのです。正規代理店となっている会社があり、日本で修理をしてくれるのは、その代理店が日本に輸入して百貨店などで販売したものだけでした。私はそれを知っていたのですが、「実は日本ではダメなんだよ」と言うと、その店員さんが落胆したらかわいそうだという気持ちと、フライトまであまり時間がなかったこともあって、「そうなんだ。すごいね。Great!」くらいのことを言ってその場を去りました。2015年くらいのことです。その後、RIMOWAはRIMOWA Japanの取扱いになって、今は、ドイツで買ったものも修理してくれるはずです。(自信はありません)
ガラパゴス化が一概に悪いとは思いません。地域にあった製品やサービスは必要です。ただ、日本でだけ利用できないとか、日本だけ除外されてしまう、というのは、日本の競争力を著しく落としていくことになると危惧します。