閉鎖されていなかった!天空に浮かぶアレシボ天文台
2020年12月6日、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウのカプセルを地球に帰還させたことは、私のような文系アニメオタクはもちろん、宇宙に関心のある全ての人類を少なからず興奮させたのではないでしょうか?
しかしその快挙に合わせたかのように崩壊し、壮絶な最期を遂げた世界最大級の望遠鏡があります。プエルトリコのアレシボ電波望遠鏡です。
このアレシボ望遠鏡は、はやぶさプロジェクトに大きな貢献を果たしたと言われています。今回落下した受信装置の重量はおよそ900トン、この巨大なアレシボ望遠鏡をインターリンクは2018年3月、実際プエルトリコまで行き見学してきましたので、今回はその現地レポートをお届けいたします。
閉鎖されていなかった!天空に浮かぶアレシボ天文台
「.cc」や「.tv」など島のドメイン約 50 種類に焦点をあて、実際にその島々に行って、各島のドメイン情報と島の魅力をレポートする「ドメイン島巡り」。
飛行機が頭上すれすれを飛んでいくセント・マーチンの次は、プエルトリコにやって来ました。
■プエルトリコとは
カリブ海北東にあり、現在はアメリカ合衆国の自治連邦区となっている島。 スペイン語で“プエルト(Puerto)” は「港」、“リコ(Rico)”は「豊か」を意味しています。1493年11月19日にクリストファー・コロンブスが 訪れた際、『なんて豊かな港なんだ!』と叫んだことに由来しているそうです。
■天空に浮かぶアレシボ天文台で宇宙からの返信を待つ
プエルトリコ郊外に「ものすごく大きな望遠鏡のある天文台がある」ということで、タクシーでサン・フアンから向かいます。
タクシーに乗って約1時間、アレシボという街につきました。ここからは下道で向かうようです。なかなか順調と思いきや、車1台が通れる狭い道で、完全に道に迷ってしまいます。
そこへピックアップトラックに乗った地元男性が登場。事情を説明すると「ついてこいよアミーゴ!」と先導してくれることに。おかげで、正しい道に戻ることができました。グラシアス!
すると、警備員が立つ物々しいゲートが出現。ゲート付近は撮影許可がおりませんでしたが、謎の施設へ侵入成功。
侵入者への警告文でしょうか、なにやら色々と書かれています。大人は12ドル?
真実を知ろうとする者の心を折るためでしょうか。長くダラダラとした階段と坂道が続きます。
覚悟を決めて登っていくと、目の前に巨大な物体がチラリ。そうです、未確認飛行物体に違いありません。
未確認飛行物体は、屈強なワイヤー18 本に支えられて天空に浮いています。そのうちの 5 本です。
侵入者への警告も最終段階に(携帯電話は使わないでください)。
命の危機を感じます(建物内に食べ物や飲み物は持ち込みできません)!
・・・・(楽しんで)!
という訳で、やってきたのはプエルトリコのエリア51、、ではなく“アレシボ天文台”。 1963年に建造され、世界最大級の電波望遠鏡がある場所として有名です。
どうやら、ここの電波望遠鏡にて宇宙人と交信をしているようです。 真相を探るべく、ビジターセンターの中へ(入館料 12 ドル)。
ビジターセンターは2階建で、シアターまで完備。
アレシボ天文台で研究されてきた内容や、物理などに纏わる展示が楽しめます。 さて、噂の電波望遠鏡と対面です。
外へ出てみると、先ほどの太いワイヤーに吊るされている物体が見えます。あれが!
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!
ズバァーーーン! こちらが電波望遠鏡。その高さは地上150メートル。
ズームするとこういった感じ。世界最大級というのも納得の迫力。「どこかで見たことがある・・」という方もいるでしょう。そう、アレシボ天文台は『007ゴールデンアイ』 や『Xファイル(シーズン2)』などの撮影地として知られています。
電波望遠鏡の下にある反射鏡。汚れが目立ちます。経年劣化による破損かもしれません。
Xファイルでは『アレシボ天文台にて地球外生命体からの信号を受信した』という設定で登場しています。
その由縁は、この“アレシボ・メッセージ”。ドット絵のようですが、当時の地球の人口などの情報が含まれている 電波メッセージなのです。地球外知的生命体探査として、1974年に2万5000光年の距離にある M13(天体)に向けてアレシボ天文台から送信されました。
しかし、M13に届くまでには2万5000年かかることもあり、まだ宇宙からの返信はないとのこと。
施設は老朽化が進行しているものの、アレシボ天文台は宇宙人からの返信を今でも待っているということが分かりました。
はるばるアレシボ天文台までやってきたので、電波望遠鏡を見ながら軽食を取ることに。
上にポテトチップスを乗せたアレシボ流ホットドッグ。美味しかったです(1ドル75セント)
センター内にある、アイススケーター気分を味わえる遊具。とても酔います(体験済)。 お食事の前にどうぞ。
なお、ビジターセンターにはお土産屋が併設されています。その名も、ギャラクシー・ショップ。
ここでしか手に入らないであろうグッズたちが並んでいました。訪れた際はマストチェックです。
実はアレシボ天文台、2011年に閉鎖される予定でした。2007年11月、年間予算1050万ドルを2008年より800万ドルに削減されることと同時に、閉鎖予定についても発表されています。
しかし、運営がSRIインターナショナルを中心とした体制に変わり、閉鎖を免れました。せっかく閉鎖は免れましたが、2017年4月、現在の年間予算800万ドルを 200万ドルに削減される報道が・・・。
我々が訪れた際、日本人はおろか観光客自体がほとんどいない状況。宇宙から返信があれば、きっと存続されるはずです。
宇宙人さん、もしこれを読んでいたら、なるべく早めに返信してください。