iPhoneは沈みゆく絶海の孤島・ツバルで使えるのか?片道40時間かけて現地で調べてみた
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iPhoneは沈みゆく絶海の孤島・ツバルで使えるのか?片道40時間かけて現地で調べてみた

南太平洋の西端に浮かぶツバルという超絶ラッキーな島国をご存じですか?主な産業は農業という小さな島国にたまたま割り当てられたドメイン(.tv)がアメリカの会社に独占権を買い取られたことで巨額の富を得たのです。まるでたまたま運よく美しい顔を持って生まれたがために眠っていただけで王子に見初められ王妃となったようなものです。詳しくは【第47回】ドメインは島国を救う(あなたの知らないドメインの世界)をご覧ください。
そんな羨ましい島国ですが温暖化によって沈み消滅するとも言われているので、国も人生も山あれば苦もあるようですね。

iPhoneは沈みゆく絶海の孤島・ツバルで使えるのか?片道40時間かけて現地で調べてみた

温暖化の影響によって「沈みゆく国」と呼ばれる「ツバル」に日本から行くには、最初に「フィジー」へ行き、そこから「ツバル」へ行くという順番になります。これがどれぐらいの高さの壁なのかというと、週3本しかない日本ーフィジーの直行便と、同じく週3本しかないフィジーーツバルの直行便を乗り継ぎ、合計40時間越え、航空費にして往復25万超えというすさまじい金額に達するのです。結果的に、アクセスの悪さによって日本からの観光客が訪れることはほとんどなく、インターネットが当たり前のように使われる現代にあっても、ツバルでどのような生活が送られているのかは、多くが謎に包まれたままです。

ということで、現地に行ってiPhoneは使えるか?ということを調査してきました(取材は2018年)。

◆ツバルでiPhoneは使えるのか?

ツバルで通信関係を扱っているのは国有のTuvalu Telecommunications Corporation(TTC)のみ。ということでまずはTTCを探そう!と意気揚々と空港を出て人に聞いてみたところ、「あの電波塔のあるところだよ!」と空港の真横の建物を教えてもらいました。

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空港から徒歩10秒です。

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これがTTCの建物。

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平日は午前9時から午後3時まで、土曜日は午前10時から午後1時まで、日曜日は午後2時から午後5時までです。

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中に入ってみると……

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なんと4G LTEが使えることが発覚。

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これはかなりインターネット環境が整っているのでは?ということで、さらに中へ。手前のカウンターに寄ってみると……

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データ通信が行えるプランや、通話付きのプランなどがずらり。カウンターの中の人にSIMカードは購入できる?と聞いてみたところ、まずは奥にいる担当者に詳しい話を聞いてくれ、とのこと。

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どうやらSIMカードが使える端末と使えない端末があり、奥にいるお兄さん・お姉さんに調べてテストしてもらってから購入する仕組みのようです。

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ということで、まずは手持ちのOnePlus 5を手渡してみたところ……

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テスト用のSIMカードが挿入され、実際に使えるかどうかが確かめられていきます。

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OnePlus 5の場合4Gの850MHz帯が使用可能となっていました。

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カウンターでSIMカードをゲット。SIMカードの挿入をお兄さんにやってもらい……

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TTCの建物の前で速度を計測してみたところ、1.4Mbpsとかなりサクサクで通信することができました。今回購入したSIMカードは15日間で700MB使用できる「Lagoon 10(10オーストラリアドル/約830円)」というプラン。このほか、15日間・250MBの「Lagoon 5(5オーストラリアドル/約410円)」や、30日間・1000MBの「Lagoon 20(20オーストラリアドル/約1700円)」などがありました。

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じゃあiPhoneもサクサク通信できるのだな!と意気揚々と今度はiPhoneについて聞いてみたところ、何と答えは「ノー」。ツバルではこれまで3Gが使用されていたのが4Gに切り替わったところなのですが、Appleからまだ許可が下りていないとのこと。じゃあ3GのSIMカードは?と聞いてみると、在庫切れ状態。「来月にはiPhoneでも4G SIMカードが使えるかも!」と言っていましたが、この「来月には!」という状態は5月ごろからずっと続いているそうです。つまり、時間の問題でありいつかは使えるようになるものの、2018年7月末時点では、iPhoneのSIMカードは購入できないのでした。

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iPhoneでインターネットを使いたい時はどうすればいいのか?というと、「Wi-Fiカード」を購入すればいいとのこと。

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これがWi-Fiカード。カウンターの中の女性がハサミでちょきちょきして切り取ってくれた、カードというか紙の切れ端です。ツバルには街の複数箇所にTTCのWi-Fiが使えるホットスポットがあり、ホットスポット近くであればインターネットが使えるようになる様子。価格は50MBが5オーストラリアドル(約410円)、100MBが10オーストラリアドル(約830円)、215MBが20オーストラリアドル(約1700円)です。実際夜にホットスポットの近くで試してみたところ……

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何度も接続できません、となりつつ最終的に計測できた速度は、3kbps。数分かけてLINEのメッセージをやりとりしました。100MBのWi-Fiを購入し「足らない!高い!」と当初は考えていましたが、むしろ「100MBも使えない……」という事態に。

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さまざまな時間帯に試してみたところ、多くの人がインターネットを使う日中や夜などにWi-Fiカードでインターネットを使うのはほぼ不可能。ただし、早朝など人の活動していない時間帯は270kbpsまで出たので、工夫してがんばれば何とか外界とコンタクトを取ることも可能でした。

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