ネットに匿名はないと思え〜誹謗中傷投稿はやめましょう
インターリンクは1995年にスタートしたインターネットサービスプロバイダーです。小さな当社にも毎週何通も開示請求書類が届くので、開示請求されてから投稿者が特定され裁判になるまでの流れをプロバイダーの立場から説明します。
面と向かって言うことができないことは、ネットにおいて匿名という仮面をつけても言うのはやめましょう。正体はほぼ間違いなく特定されます。なにもいいことはありません。
ネットに匿名はないと思え〜誹謗中傷投稿はやめましょう
これまで何度かこのブログでも言及していることなのですが、誹謗中傷投稿がなされた場合、被害者が開示請求をすれば、ほぼ間違いなく、投稿者は特定されます。
流れとしては下記のようになります。
誹謗中傷投稿がブログやXにされる
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被害者が弁護士に相談
ブログやXの管理会社に連絡して、IPアドレスを開示請求する
↓
IPアドレスが開示される
↓
次に、そのIPアドレスを管理する会社や団体に、開示請求をする
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当社の場合、開示請求されたIPアドレスの該当者に連絡
開示していいかどうかたずねる
↓
開示に同意の場合は開示するが、これまで同意はわずか1例のみ
開示に不同意の場合、開示請求に対して、拒絶の連絡をする
↓
被害者が原告、当社が被告となって、開示請求裁判が開始される
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当社が敗訴して、被害者に投稿者の情報開示をする(*1)
↓
被害者が投稿者を特定し、裁判等に訴えることとなる
という流れです。(*1)当社はこれまで全て敗訴
誹謗中傷投稿をして、相手がその気になったら、100%確実に投稿者は特定されます。ただし、時間はかかります。投稿者から見れば、半年以上経って、忘れた頃に連絡が来る、ということになります。
当社のような規模の会社でも、毎週何通も開示請求書類が届きます。特定の法律事務所からの開示請求が多くあるので、その事務所はネット上の誹謗中傷に特化しているのではないかなと思うくらいです。(どの法律事務所かという問い合わせにはお答えできませんのでご容赦ください)
当社から開示の同意、不同意を該当者に尋ねた時に、ほぼ100%の方が不同意にされますが、少しの時間稼ぎにしかなりません。また、裁判で、投稿していないとか、IPアドレスが乗っ取られたのではないかとシラを切って逃げ切る、という方法は、ほぼ無理のようです。パラリンピック選手が誹謗中傷投稿をして、賠償命令判決が出ましたが、こちらでも、投稿したこと自体を争っても意味がないからかどうかはわかりませんが、投稿したこと自体は、争っていないようです。
誹謗中傷投稿をしたら、それで相手がなにか改善してくれるということもないでしょうし、逆に怒った相手が開示請求をして、被告となって賠償請求されてしまう、というしっぺ返しがきます。なにもいいことはありません。
今回のパラの件もそうですが、開示請求案件では、開示請求する人とされた人が、たとえば住所が近いとか、顔見知りだろうなぁと思うことがよくあります。難しいのかもしれませんが、どうしても言いたいことは、面と向かって話すようにして、匿名での誹謗中傷は絶対にやめてほしいと思います。